大腸カメラとは

大腸カメラは肛門から内視鏡スコープを挿入し、大腸の粘膜を内側から直接観察する検査です。大腸の内側を詳しく観察し、検査中に組織の採取が可能です。
大腸がんやポリープ、炎症などの病気を早期に発見・診断し、適切な治療に繋げることを目的としております。
大腸カメラの重要性

日本人のがん患者数は増加しており、がん死亡率は高いです。中でも大腸がんが、がん死亡率の原因として上位に位置しています。
大腸がんができる原因として、大腸ポリープ(腺腫とよばれる良性腫瘍)が発育し発癌する多段階発癌が大部分を占めています。ですので、大腸ポリープを小さいうちに見つけて早期治療することは、大腸がん予防にとって大きな意味があります。
当院では日帰り大腸ポリープ切除を行っていますので、どうぞお気軽にご相談ください。
また、ポリープを経ずに正常な粘膜から直接がんが発生するケースもありますので、大腸ポリープの指摘がなくても定期的に大腸カメラを行いましょう。
当院の大腸カメラの特徴
専門医による大腸カメラ検査
手術後でおなかの中に癒着がある方や腸の長い方など、人によっては最深部である盲腸にたどり着くことができないことがあります。前任地では検査が難しく完遂できなかった方をご紹介いただくことがあり、多くの経験を積むことで挿入法や検査装置選択の工夫をしてまいりました。
挿入法の工夫
当院では患者様が楽に検査を受けられるよう、やさしく・丁寧な検査に努めています。以下のように挿入法を工夫しております。
- 大腸カメラのときにスコープの接触で腸が大きく伸びてしまわないよう、腸を引き寄せて短縮させながら挿入します。この方法「軸保持短縮挿入法」を使うことで、うまくいくと苦痛をほとんど感じず検査を受けることができます。
- なるべく空気を入れず、水を注入しながら内視鏡を挿入する「浸水法」では大腸の曲がりが強い方では負担を軽減でき、苦痛を抑えた検査を行うことが可能となります。
鎮静剤を使った苦痛の少ない大腸カメラ検査

大腸が長い方、炎症や手術によりおなかの中に癒着のある方などは苦痛が強くなることがあります。そのため、当院ではご希望に応じて、静脈注射による鎮静剤(眠くなる薬)・鎮痛剤(痛みを抑える薬)の投与を行っています。お気軽にご相談ください。
このような方は大腸カメラ検査をお勧めいたします
- お腹の張りが続く
- ご家族の方に大腸がんを患った方がいる
- 血便が出た
- 便潜血で陽性が出た
- 体重が急激に減少した
- 下痢や便秘が続いている
以下の方は高次医療機関での検査をお勧めいたします
以下の患者様は合併症が起きた場合に集学的治療が必要となることがあるため、高次医療機関での内視鏡検査をおすすめさせていただいております。
透析中の方、体重100㎏以上の方、酸素飽和度が90%以下の方、妊娠中の方など。
大腸カメラ検査の流れ
- 問診・検査日のご予約
-
- 大腸カメラの仮予約後は、検査の3日前までに必ず「事前診察」の予約をお取りください。
- その際にアレルギーや検査歴、既往歴、内服歴、手術歴などを問診し、検査前日もしくは検査当日に飲む下剤を持ち帰っていただきます。
- 大腸ポリープが見つかった場合の、切除希望の有無もお聞きいたします。
- 検査前日
-
- 夕食は21時までにすませていただき、以降は絶食です。水またはお茶は飲んでいただいて大丈夫です。
- 食事は消化の良いものにし、脂っこいもの、繊維の多いものは避けて下さい。
- ご希望の方は前日の食事(検査食)を当院でも取り扱っておりますのでお持ち帰りできます。(1,100円)
- お渡ししている下剤を21時に内服してください。
- 検査当日
-
- 絶食でお越しください。お水またはお茶は飲んでいただいて構いません。
- 腸の中を空にするために、下剤の水薬約2リットルを病院または自宅で飲んでいただきます。
- 喫煙は検査終了までお控えください。
- 検査の際は検査着、使い捨てのパンツに着替えていただきます。
- 内視鏡検査の際に病変が発見された場合は、より正確な診断のために生検を行うことがあります。検査当日の飲酒、香辛料の摂取、激しい運動はお控えください。
- ポリープを切除した場合の注意事項に関してはこちらをご参照ください。
検査当日の薬について
- 高血圧、不整脈をおさえる薬などは、当日朝7時に内服してください。
- 糖尿病の薬の服用、インスリン注射は行わないでください。
- 血液をサラサラにする薬は、あらかじめ中止を指示されている場合を除き、自己判断せず、内服を継続してください。
- 検査
-
- 検査時間は通常約20分程度ですが、挿入が難しいかたや生検・ポリープ切除を行った場合は長くなることがあります。
- 鎮静剤を使った場合、目が覚めるまでベッドや椅子でお休みいただきます。
- しっかりと覚醒した後で、検査時の画像を見ながら、医師より説明を行います。
- 検査後
-
- 生検やポリープ切除を行った場合、結果は概ね7〜14日後に判明しますので、後日再び受診していただきます。
※非常に稀ですが、病理の結果次第では追加の検査が必要となることがあり、結果説明が2週間より長くなります。その場合お電話でお伝えいたしますので、ご了承ください。 - 飲食は検査後1時間後から可能です。検査日は激しい運動や遠出は避けてください。
- ポリープを切除した場合の注意事項に関してはこちらをご参照ください。
- 生検やポリープ切除を行った場合、結果は概ね7〜14日後に判明しますので、後日再び受診していただきます。